日本はその国土の小ささにもかかわらず、世界6位の排他的経済水域と海岸線の長さを有する海洋国家でもあります。そして、南北に細長い複雑な海岸線をもつ日本の周辺は、暖流と寒流が行き交い、世界3大漁場の1つにかぞえられる恵まれた海域となっています。この豊かな海を背景に育まれてきた、日本独自の魚食文化と歴史。私たちは、日本人の魚を愛するまごころと洗練された感性を継承し、世界の国々へ、日本の文化を新たなスタイルで広げたいと思っています。
少子高齢化や海外新興国の市場拡大などにより、国内の企業は世界へ目を向けるべき時代となっています。そして、水産業においても、日本の魚を世界で食べてもらう緻密なマーケティング戦略が必要です。寿司という日本文化があっという間に世界中に広まったように、魚の食べ方、味や見た目など、日本人独自の魚食文化を海外の人々に伝えていくことが、やがて美味しい魚を食べてもらうことへつながると私たちは考えています。
養殖魚は天然魚により近づくことを目標に品質を高めてきましたが、これからは天然魚と同じ土俵で競うのではなく、むしろ天然魚にはない新たな文化やスタイルを創造し、未知の市場を開拓すべきだと私たちは考えています。魚離れが進む一方で、一次加工・二次加工をして、食べやすい・調理しやすい・美味しい養殖魚を開発・生産するのも私たちの仕事のひとつ。多くの人々にその新しい味をご提供していくことも大きな役割です。